「ハンニバルは名将だったと言われているけど、どんな風に戦ったの?」
「彼の戦術の特徴は、敵を退却させるだけではないということです」
「どういうこと?」
「ハンニバルは、敵の退路を断って包囲殲滅に持ち込むのです」
「敵を退却させるのと、どう違うの?」
「退却した敵は再編成してまた襲ってきます。しかし包囲殲滅すると、膨大な死傷者が出て相手は回復不能になります。殺戮です」
「ひええ」
「織田信長も包囲にはこだわったみたいですね。長篠の合戦では敵を誘い出して、両翼から敵の退路を断って包囲したそうです」
「それで武田軍は再起不能になったのかあ」
「でも今はハンニバルの話ね」
「ほいほい」
私は戦場の分析が好きです。
- 戦略的にどういう意味があるのか、という地政学的な分析や、
- 指揮官のとった戦術が上から見るとどのようなものだったのか、
などを調べるのが好きです。
そこで、歴史マンガ『アド・アストラ』に出てくる戦いを上から見たアニメーションを作りました。
作ってみてわかるのは、ハンニバルのすごさです。当時は作戦行動をとること自体ほとんど行われていなかったと思うのですが、彼は兵を手足のように動かし敵を包囲しています。
特にカンナエの戦いは、ナポレオンのアウステルリッツの戦いのような、敵の戦術を先読みしてその裏をかいて大勝するという、見事な戦いです。ぜひ見てみて下さい。
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