A Japanese learning English

With Anime, Comic and Game

レポート:性戦略と遺伝進化論(動物行動学)

先生の授業は大変興味深く聞かしていただきました。後半はスライド中心でノートに記録が残っていなく授業の内容をしっかり思い出せないのが残念ですが、思い出せる範囲で感想を書きたいと思います。

かなり印象に残っているのは、性戦略に関する授業でした。雄の側から見た戦略と、雌の側からの戦略・・・なかなか純粋に客観的に聞けるものではありません。例えば、「繁殖成功率を高めるために、雄はより多くの雌を獲得し、雌は雄を選択する」。言葉としては「実効性比」や「精子競争」、「代替戦略」などが授業中出てきましたが、その詳しい定義までは覚えていないのが残念です。ただ、そのアプローチの仕方はとても面白いと思います。単なる知的探求心の枠を外れてしまうのですがね。

これはどうでもいいことなんですが、女性の行動を見ていると、どうも性戦略的な要素が含まれているような気がしてなりません。繁殖成功率についてはまだよく分かりませんが、優良遺伝子を残すということについてはその要素があるような気がしてしまいます。これについてはまず単なる考えすぎという可能性もあるし、さらには「優良遺伝子」という概念自体まだ完全に実証されたわけではないということもあります。さらには、こんなことを授業のレポートに書くべきではないという気持ちもあります。ただ、淘汰の考え方はかなり実証されているようなので、こちらから問題を見てみるということはありなのかもしれません。

先生は遺伝進化論についても授業で触れられましたね。ただこれについてもまだ受け入れるには早いとする人もいるようです。それは例えばスティーブン・J・グールドや池田清彦がその著作(『パンダの親指(上)』、『科学教の迷信』)の中で述べています。確かに遺伝進化論は様々な生物界の現象を説明できる強力な考え方でしょうが、だからといってそれを受け入れてしまうには少し抵抗があります。

先生はヤドカリが専門ということで、ヤドカリの貝をめぐる行動について調査のデータやその解釈を説明されました。私が面白いなと思ったのは、一方で遺伝進化論や性戦略といったかなり大きなテーマを扱いつつ、もう一方ではこのようなミクロなテーマを扱っているということです。これは先生に限らず、他の生物の先生方も同じようです。結局のところ何かの専門家になろうと思ったら、一つの対象にのめりこめる情熱のようなものが必要な気がします。そしてそのたった一つの対象から疑いようもない事実を引きだし、その上に解釈をのせていく・・・

  そうしないとはじめから大きなテーマを扱おうとしても机上の空論になりかねません。ただ私は学生としてどうしても大きなテーマの方にばかり目がいってしまうのが、目下の悩みどころです。

 これらの他にも様々な話題についていろいろスライドを見せていただいたのは覚えているのですが、残念ながらここに何か書けるほどはっきりと記憶していません。ただ詳しくは覚えてはいなくても、何か残っているのは確かです。それは細かい知識ではなくもっと大まかな方法というか、姿勢みたいなものです。3回生にもなってこんなことをゆっくりやっているのも恥ずかしいのですが、半年間ありがとうございました。