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歴史漫画『火の鳥(6)』<手塚治虫>紹介 大仏建立

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『火の鳥(5)』の続きです。いよいよ奈良の大仏が建立されることになり、大量の木材を運搬しているシーンなども出てきます。最後には開眼式が行われます。

「美しい・・・なんという美しい世界だろう・・・」とは主人公が最後に口にするセリフですが、手塚治虫は大胆なカット割りといい自然描写、感情描写の素晴らしさといい、壮大な世界観といい、何もかもが別格である気がします。

補足:

東大寺盧舎那仏像 - Wikipedia

この記事の「時代背景」の項が面白いです:

大仏造立の詔の2年前の741年、聖武天皇は詔して、国ごとに国分寺を造ることを命じた。そして、東大寺は大和国の国分寺であると共に、日本の総国分寺と位置付けられた。

この国分寺造立の思想的背景には護国経典の信仰があった。同経によれば、この経を信じる国王の下には、仏教の護法善神である四天王が現れ、国を護るという。

聖武は、日本の隅々にまで国分寺を建て、釈迦像を安置し、金光明最勝王経を安置することによって、国家の安定を図ろうとする意図があったものと思われる。

聖武天皇が位に付いていた8世紀前半、すなわち天平時代の日本は決して安定した状況にはなかった。737年には、当時の政治の中枢にいた藤原四兄弟が、天然痘で相次いで死去した。そのほかにも、天平時代は例年旱魃・飢饉が続き、734年には大地震で大きな被害があり、国分寺建立の詔の出る前年の740年には九州で藤原広嗣の乱が発生するなど、社会不安にさらされた時代であった。

聖武による国分寺の建立、東大寺大仏の造立には、こうした社会不安を取り除き、国を安定させたいという願いが背景にあったものと推測されている。