「ツール系ゲーム」という言葉をご存じだろうか。たぶん知らない方がほとんどだろう。最近の有名なツール系ゲームは上に載せた「Wiiミュージック」である。これは知っている方が多いだろう。Wiiミュージックでは、用意された60種類の楽器ツールを使って曲を作る。要は「ツール系ゲーム」とは、ツールを使って何かを作るゲームである。今回はこの言葉を紹介し、どのような人が向いているのかを説明する。
◆シミュレーションゲームも同じ?
「ツールを使って何かを作るゲームは、シミュレーションゲームのことではないのか」という意見もあるだろう。たしかに、シミュレーションゲームでも何かを作ることに変わりはない。有名なのは町を作る「シムシティ」や鉄道網を作る「A列車で行こう」だ。
こういうゲームは、「大戦略」「三国志」などの「戦略」シミュレーションと区別するために「箱庭系」シミュレーションと呼ばれる。
◆根本的な違いは権限の有無
ツール系ゲームと箱庭系シミュレーションゲームの根本的な違いは、権限の有無である。
箱庭系シミュレーションゲームでは、プレイヤーが最初からできることは少ない。ゲームを進めるにしたがって対象物(町や鉄道網など)が成長し、できることが増えていく。つまり、箱庭系シミュレーションゲームでは、プレイヤーに最初から与えられた権限は少ない。
これに対しツール系ゲームでは、プレイヤーは、最初から基本的にすべてのことができる。成長とは、プレイヤー自身がツールの使い方を学び熟達していくことである。つまり、ツール系ゲームではプレイヤーは最初からすべての権限を持っている。以下は「リトルビッグプラネット」でステージをつくっているところである。
この権限の有無が、箱庭系シミュレーションゲームとツール系ゲームを区別するポイントであろう。
◆どんな人が向いているのか
箱庭系シミュレーションゲームが向いているのは、どういう人だろうか?それは、何か(町や店や鉄道網など)を育てるのが好きな人であろう。ちなみに、具体的には以下のようなゲームがある。
シムシティ(上の画面はブラウザで遊べるものだそうです)、
レイルロードタイクーン、ズータイクーン、トロピコ、キャピタリズなど
これに対しツール系ゲームが向いているのは、どういう人だろうか?何かの道具を使いこなせるようになることが好きな人、できることが(資金などで)制限されることが嫌いで、逆に自由に物を作るのが好きな人であろう。具体的には以下のようなゲームがある。
カルネージハート(これはロボットのAIを組んでいる)、
デザエモン(シューティングゲームをつくるツール)、
リトルビッグプラネット(クリエイトモード)、NWN(ツールセット)、Wiiミュージックなど
ちなみに私はツール系ゲームが大好きである。上にあげた以外にもあれば、ぜひ下のコメントに書き込んで欲しい。