実はエンターテイメントだった。
病院を舞台にした異色のミステリ小説。という評判は、読む前から耳にしていた。しかし、エンターテイメントとは聞いていなかった。まあでも、本来ミステリというものはエンターテイメントでなければならないのだろう・・・なんてを改めて考えさせられるくらい、エンターテイメントな小説だった。
どんな人に、この小説を勧めるか?
私は、小説の相性(要は楽しいか否か)は、主人公のキャラクター設定によるところが大きいと思っている。たとえば私自身は、こういうキャラクターの主人公が好きだ。すなわち、出世や大金に興味はなく、マイペースで、他人からは変わり者あつかいされているが、実は爪を隠している。
こう書くと自分でも可笑しくなるが、まあ、そういうものだと思う。ピンと来ない人は、読まなくてよいと思う。だがピンと来る人は、読んでみると良いかもしれない。少なくとも私は今、一気に読み終えた爽やかな読後感に浸っている。